今回は、コロンが僧帽弁閉鎖不全症で初めて肺水腫を起こした時の様子をまとめました。
初めて肺水腫を起こして緊急入院。
退院後も短期間で3回肺水腫を起こし、入退院を繰り返しました。
何度も繰り返していくうちに、肺水腫の原因や対処法などがわかり、
【もっと早く知っていれば、コロンはあんなに苦しい思いをせずに済んだかもしれない】
と思ったことがあったので、コロンと私の体験をまとめることにしました。
コロンです
・8才の時に【心雑音】が確認され、僧帽弁閉鎖不全症の診断を受ける。
・11才で初めて肺水腫を発症。
・同年11月に僧帽弁閉鎖不全症の手術を行い、無事に成功。
・現在は13才になり、定期検診で術後の経過は良好。
・現在は甲状腺機能低下症で投薬治療をしています。
元気になりました。
▼ひとつ前のお話はこちら
犬僧帽弁閉鎖不全症闘病記録
【初めての肺水腫】
5月17日
コロン緊急入院。
心臓の状態が急変して、初めて肺水腫を起こしました。
3年前に病気が発覚していたものの、心雑音以外の症状は無し。
定期健康診断では毎回異常がなかったので、私は安心しきっていました。
コロンはその後2回目、3回目と続けて肺水腫を起こすことになります。
回数ごとの症状の違いや、治療と薬の量などをまとめていきます。
急変する肺水腫と初期症状
- 初めて肺水腫になったのは5月17日。
- 時間は18時半頃です。
この初めて肺水腫を起こす2日前に、コロンはたまたま定期健康診断を受けていました。
心臓のエコーも撮って、結果は【異常なし】。
当日も、朝から食欲旺盛で直前まで元気でした。
このことからも、肺水腫は突然起こるということが分かります。
肺水腫の症状
この時のコロンの様子は、下記のような状態でした。
- 急な食欲不振
- 呼吸が早い
- 体温低下
- 犬座姿勢
- 舌の色が薄い
①急な食欲不振
朝はいつも通り食欲旺盛だったコロン。
夕方になるといつも「ごはんが欲しい!」と催促する食いしん坊なコロンが、その日は欲しがりませんでした。
ごはんが入った器を置いてもジッと座って反応が無く、そんなことは初めてでした。
②呼吸が早い
息を吸って吐くまでの間隔が短く、呼吸が早いと思いました。
口は閉じて鼻呼吸でしたが、浅く早い呼吸をしていました。
これも初めて見た様子でした。
肩で呼吸しているように見えました。
③体温低下
少し震えている気がしたので、寒いのかな…?と思い、膝に乗せると「手足が冷たい」と感じました。
膝の上で毛布をかけて温めました。
病院で体温を測ったところ、いつもより体温が低いことがわかりました。
④犬座姿勢(けんざしせい)
元気な時であれば、上記のように膝に乗せて毛布をかけると気持ちよさそうにすぐに眠るのですが、頭を上げたまま前足を立てて座り、寝ようとしませんでした。
この時顔を上げていたのは、肺水腫で呼吸が苦しい時に見せる【犬座姿勢】であることが後でわかりました。
⑤舌の色が薄い
家にいた時は動転して確認していなかったのですが、病院に着いた時に先生に言われて舌の色が薄くなっていることに気が付きました。
舌の色が、薄いピンク色になっていました。
普段は濃いピンク色です。
犬の肺水腫治療法
コロンの様子がおかしいことが分かり、すぐに病院へ連れて行こうと思いました。
時間はもう19時を過ぎていて、かかりつけの病院は診療時間が終わっている為、夜間救急病院を探しました。
私が住んでいる県では、県内の診療可能な動物病院が1件ずつ順番で夜間救急を回していて、診療時間は22時半まで。
曜日によって休診日があります。
今まで夜間救急を利用したことが無かったけれど、かかりつけの病院のホームページに【夜間救急の病院案内】のリンクがあったことを思い出しました。
苦しそうなコロンを前に気が動転して、普段ならすぐに見つけられる【夜間救急】の文字を探すのに時間がかかりました。
やっと見つけると、この日は1時間半ほどかかる隣の市の動物病院が担当でした。
遠い病院の日だ…💦
でも行くしかない!
ちょうど仕事から帰宅した妹が車を運転してくれ、私はコロンの冷えた体を毛布でくるんで抱え、病院へ向かいました。
その間もコロンは膝の上でずっと犬座姿勢で、浅く早い呼吸をしていました。
運転している妹が、
「コロン生きてる!?」
と何度も確認するほど、緊迫した状態でした。
生きてる!
大丈夫…!
市外の病院へと車を走らせて10分ほど経った時に、かかりつけの病院から電話がかかってきました。
母がダメもとでかけていた電話に先生が気付いて、カルテの連絡先にあった私の携帯に連絡をしてくださったのでした。
コロンの状態を伝えると、
コロンちゃんは心臓が悪かったですよね?
まだ病院にいるので、これからうちに来てもらって大丈夫ですよ!
助かりました!!
ありがとうございます!!
すぐにUターンして、かかりつけの病院へ向かいました。
のちに、循環器の専門病院を受診した時、【初めての肺水腫で助かる確率は80%】だと言われました。
初めての肺水腫でも命に関わる場合がある為、様子を見るのは危険なことが分かります。
▼病院が閉まっている時はどうすればいい?
自宅でできる対策を病院の先生に教えてもらい実践したお話はこちら。
肺水腫と余命
病院に着くと、すぐにレントゲンを撮ってくださり、肺水腫を起こしていることがわかりました。
コロンは緊急入院。
酸素室に入り、利尿薬の注射を打って回復を待つことになりました。
応急処置をしてもらえた…!
良かった…!!
入院することになったので、一度家にコロンのドッグフードを取りに戻りました。
コロンは食べ物アレルギーがある為、専用のフードを食べていたのですが、ちょうど病院に在庫が無かった為、家から持参しました。
すでに診療時間外だった為、翌日また面会に行くことにして、この日はコロンを預けてすぐに帰帰宅。
【心臓が原因で肺水腫が起きた】ということは分かり、コロンの初めて見る苦しそうな姿に、不安が募りました。
【心雑音】があることは分かっていたけれど、定期的に検査をしてきたし、2日前にも定期検診を受けたばかり。
毎回異常がなくて、私は【大丈夫】だと思っていました。
何も起きないことに慣れてしまっていた…。
もしあのまま市外の病院まで行かなければならなかったら、間に合わなかったかもしれない…と思いました。
家に帰ってすぐに、病気について検索。
すると、
僧帽弁閉鎖不全症で肺水腫を起こしたら、余命は半年
そんな絶望的な言葉がすぐに目に入りました。
何か変化があればすぐに気づけるようにと、定期検診をしてきたのに、もう手遅れかもしれない…?
ずっと動悸がして、不安で押しつぶされそうでした。
いつかは別れが来ることは分かっていたけど、まだまだ先だと思っていた…。
コロンはまだ11才で、これから一緒にいられる時間を大事に過ごしたかった…。
朝まで元気だったコロンが余命半年の体だったなんて、信じられない気持ちでした。
コロンは皮膚が弱くて、皮膚の治療を継続して行っていた為、心臓の病気が分かってからも頻繁に病院に通い続けていたし、先生も【大丈夫】だと言っていたので安心しきっていました。
その夜、病気についていろいろ調べた私は、
どうして3年前に病気が分かった時に、こうやって調べなかったんだろう…
なんで大丈夫だと思っていたんだろう…
もっと早く治療を開始していれば、悪化を遅らせられたかもしれない…
と、取り返しのつかない油断をしてしまったことを、一晩中大後悔しました。
後悔は尽きないけれど、今コロンは病院で一人頑張っている…。
できる限りのことをしなければ…
と、この日からコロンと私の闘病生活が始まりました。
犬の肺水腫・原因と入院期間
翌日病院に行くと、コロンの状態を詳しく説明してもらえました。
僧帽弁閉鎖不全症とは
心臓の血液が次の部屋へと循環していく為に、左心房と左心室の間にある【僧帽弁(そうぼうべん)】が蓋をして逆流を防いでいます。
その弁を引っ張っている【腱索(けんさく)】が切れたり伸びたりすることで、正常に蓋をすることができなくなり、血液が逆流してしまう病気が【僧帽弁閉鎖不全症】です。
血液が逆流した結果、
こんなに恐ろしい病気だったなんて…
私は病気の詳細を、コロンの心臓がすっかり悪化してしまってから知りました。
皮膚の治療で2週間に1度は病院に通っていて、その度に心臓の音を確認してもらったり、定期的に検査もしていたので、病状の変化には早期に対応できると思っていました。
こんなに急に命に関わる状態になるなんて、夢にも思っていませんでした。
ちゃんと自分で調べるべきだった…
ごめんね、コロン…
犬の肺水腫・入院期間
最初の肺水腫で、コロンは3日間入院することになりました。
その後も肺水腫を繰り返しましたが、日帰り入院や1泊入院など、その時の病状によって入院期間は変わりました。
入院翌日・食欲不振
入院した翌日、ICUの中にいるコロンは、まだしんどそうに見えました。
朝もらった ごはんは手付かず。
レントゲン写真を見ると、まだ肺の中が白く、水が抜けていないことが分かりました。
犬座姿勢ではなくなっていますが、呼吸も正常な時に比べるとまだ早いです。
元気な時であれば、面会に来た私を見て、尻尾を振って近寄ってきたり「外に出たい!」とアピールしたりするであろうコロンが、上の写真のようにジッと私を見て動かなかったので、体がしんどいことが分かりました。
入院2日目
まだ少し肺が白くて、呼吸も早い気がするけれど、舌はピンク色に戻っていました◎
相変わらず ごはんは食べていないけれど、お水を飲んで大きなおしっこをしていました。
昨日ごはんを食べていなかったので、家から大好きなチーズを持って行ったけれど、食べず…。
食べ物アレルギーのコロンの為に、看護師さんがサツマイモ🍠を蒸かしてくださったそうなのですが、それも食べなかったそう。
大好きなはずなのに…💦
入院2日目の今日は、少し酸素室から出て院内を歩かせてもらったそうです。
自由に歩かせてもらって、疲れたら自分で酸素室の前に戻ってきて座っていたと、看護師さんが教えてくださいました。
今日の面会では、少しのあいだ酸素室の窓を開けてもらえました。
私の方へ来ようとすることもありました。
食欲が無いのは心配だけれど、今日は立って歩いていて、少し元気になったように見えて安心しました。
まだ酸素濃度を下げられない状態なので、普通の酸素量で呼吸が安定するようになれば、早ければ明日退院できるとのこと。
コロンが入院してから3回目の夜。
初めての入院で、コロンは頑張っています。
早くお気に入りの布団でゆっくり寝させてあげたいな…と思いました。
入院3日目・退院
なかなか抜けなかった肺の水がやっと抜けて、夕方に退院することができました。
結局入院中の3日間、ごはんを食べず。
6.8㎏あった体重が5.8㎏に痩せていました。
闘病中は、この【食欲不振】に何度も悩まされました。
コロンは車に乗ると、窓から外を見るのが好きなのに、外を見ることなくずっと寝ていたので、まだ本調子ではないことがわかり、心配でした。
犬の肺水腫入院費用と薬
今回かかった入院費は3泊4日で8万円、処方された薬代が2万円で、合わせて10万円かかりました。
たたた 高い~…!
この日、退院後に処方された薬は
強心剤:ベトメディン
気道拡張薬:ネオフェリン
心臓のお薬って、とても高額なことを知りました💦
この時病院の先生が【利尿薬】の使用で腎臓に影響が出ることを心配されて、利尿薬を使用せずに様子を見ることになったのですが、先生の予想を上回る速さでコロンは悪化していて、既に利尿薬が必要な状態であった為、退院後すぐに2回目の肺水腫を起こすことになります。
心臓の薬と合わせて飲んでいた【アンチノール】
僧帽弁閉鎖不全症を発症した8才の頃から、病院の先生に薦められてサプリメントを飲んでいました。
【心血管や腎臓の機能をサポート】してくれるので闘病中にずっと飲んでいて、病気が治ってからもシニア犬の体調サポートとして飲み続けています。
利尿薬は腎臓に負担がかかるので、サプリでサポートできると安心です。
犬の肺水腫・退院後の様子
退院して帰宅した瞬間、コロンはすぐトイレに直行。
おしっこをすると、それで疲れたのか、ぺしゃんと倒れ込んでびっくりしました。
コロン!!!
肺の水が抜けたとはいえ、元の元気な状態には戻っていないことが分かります。
まだしんどそうで、あまり動くことがなく、ずっと寝ていました。
もらった薬が効いてくれると良いな…と思いました。
心配です…!
退院後も続く食欲不振
入院中にずっと食欲が無かったコロン。
家に帰ったらごはんを食べてくれるかな…?と思ったけれど、食欲が無い日が続きました。
入院中に1kg体重が落ちているので、体力を回復させたいと思い、大好きだったドッグフードに缶詰のフードをトッピングしてみたのですが…
入院前までの、ガツガツあっという間に食べるような食欲旺盛な姿は見られませんでした。
食いしん坊で、食べることが大好きだったのに、肺水腫を起こしてから少食になってしまいました。
コロン、生まれて初めての食欲不振です。
食欲不振の原因・解消法
コロンはこの後、3回肺水腫を繰り返したのですが、毎回肺水腫を起こした時は食欲不振になりました。
薬が効いて肺の水が抜けると食欲が戻り、体調が悪くなるとまた食欲不振になる。
それを繰り返していました。
コロンの場合は、食欲不振になるとドッグフードを食べなくなってしまいます。
食べ物アレルギーで、食べられるものが限られている為、困りました💦
そこで、手作りごはんに切り替えたところ、食べてくれる量が増えました。
▼手作りごはんを作ったお話はこちら
その後、手術で心臓が治ると、すっかり食欲が戻りました。
現在は元通りドッグフードを喜んで食べているので、当時は体調が悪くて食欲不振になっていたことが分かります。
まとめ
今回は、僧帽弁閉鎖不全症によって初めて肺水腫を起こしたコロンの体験談をまとめました。
頻繁に病院に通い、定期的に健康診断を受けていたコロンが、検診で【異常なし!】と言われた2日後に肺水腫を起こすとは夢にも思っていませんでした。
苦しそうなコロンを前に、オロオロすることしかできず…。
心臓が原因でこんなに危険な状態になるとは思ってもいなくて、病気についてもっと早くに調べておけば良かったと、凄く後悔しました。
コロンは生まれて初めて入院することになり、3日後にやっと退院。
投薬治療が始まって、薬で病状が安定するといいな…と思っていましたが、この後コロンは肺水腫を繰り返すことになります。
▼次のお話【2回目の肺水腫】