画像やインスタグラムの投稿は、飼い主さんの許可を得て掲載させていただいております。
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ニックネーム | お名前ヒュー坊くん |
性別 | ♂ |
誕生日 | 4月3日 |
犬種 | チワワ |
治療 | 投薬 手術 |
闘病時期 | 発病:10歳 手術:12歳(11月) |
初期症状 | 心雑音 |
重度の僧帽弁閉鎖不全症で余命宣告を受け、12歳の時に手術。
手術が成功して、無事元気になったヒュー坊くんの闘病記録です。

現在14歳になったヒュー坊くん。
一緒に暮らす猫ちゃん達にとって、優しいお兄ちゃんです。
ヒュー坊くんの闘病記録

ヒュー坊くんは、別件でたまたま通院した時に【心雑音】が発覚。
僧帽弁閉鎖不全症であることが診断されました。
それから2年間、投薬を続けましたが、ヒュー坊くんの心臓は、薬をこれ以上増やすことができないギリギリの状態まで悪化しました。
ヒュー坊くんは、当時治療を受けていた病院で、手術待ちだった50匹のワンちゃんの中で「ベスト3に入るほど重篤」と執刀医さんがおっしゃる状態でした。
- 病気の進行速度
- 10歳で発病し、すぐに投薬を開始。
- その後12歳になるまで咳をすることもなく元気。
- 12歳の5月に咳が出始める。
- 同年7月末:酸素室レンタル開始
- 手術前になると咳は酷く、身体全体で呼吸をする感じ。
- 同年11月に手術。
- 食欲
- 闘病中もモリモリ
- お薬
- 多い時は7種類。
ワンハート・ベトメディン
アムロジピン・フロセミド
ルプラック・スピロノラクトン
サムスカ - 手術に向けて腎数値を抑えるために5種類にして調節。
(サムスカを無くし、ワンハートも半量に減らし、ルプラックは錠剤ではなく、粉にして、より少なくするように微調整) - 利尿薬を飲み、3時間に1度は大量のおしっこが出ていました。
- 多い時は7種類。
- 内臓の数値
- 肝数値・腎数値が高い。
- 薬の量を調節することで、肝数値は正常値に。
- 腎数値は、利尿薬を飲まなくなれば正常値になるだろうというギリギリの量で抑えていた。
- 呼吸の様子
- 興奮すると酷い咳が出る
- 肩で呼吸をする苦しそうな様子の時もある。
- かかった病院
- かかりつけの病院
- 循環器専門病院(二次診療施設)

ヒュー坊くんのように、重篤な状態でもずっと食欲旺盛なワンちゃんもいて、食欲では体調の変化がわかりにくい場合があります。
ポイント
ヒュー坊くんは、ママさんの職場の看板犬で、呼吸の変化などを把握しやすい環境でした。
そのため、体調の変化に応じて薬をこまめに調節することができ、重篤な状態でありながらも体調を維持することに繋がりました。



呼吸数の変化を把握することは、とても重要です。
ヒュー坊くんの飼い主さんは、当時の闘病体験をインスタグラムに記録で残されています。
▼ヒュー坊くんのインスタグラム
専門病院の重要性


ヒュー坊くんの飼い主さんは、かかりつけ病院で【僧帽弁閉鎖不全症】と診断された後、循環器の専門病院である二次診療施設を受診されています。
かかりつけ病院では4種類だった薬が、専門病院では7種類に。
重篤な状態であったヒュー坊くんを、手術が可能な状態、尚且つ、術後も腎数値を正常値で保ちたいという飼い主さんの意向を汲んで、薬を絶妙に調節してもらえました。
二次診療施設は心臓の手術が可能な病院であるだけでなく、的確な薬の処方をしてもらえる点が、一般の動物病院と大きく違うと言えます。
僧帽弁閉鎖不全症の治療は、循環器について極めて専門的な知識が必要で、専門の知識がある獣医さんは一般の動物病院ではなかなか出会えないことが多いです。
手術の体験記録


術中に亡くなってしまうリスクがある手術であるだけに、かかりつけの病院では積極的に手術を勧められませんでした。
術後の 入院期間 | 2週間 |
手術を施行した時期 | 11月 発病から約2年後 |
術後の経過 | 手術直後に自発呼吸による酸素レベルが急激に低下。 人工呼吸器を装着。 術後に再び出血が起こった。 翌日には出血は止まり、人工呼吸器も外すことができた。 立って水を飲むこともできた。 2日後にはご飯を完食。 3日後には酸素室から出て面会できできた。 腎数値が正常値になった。 術後5日で酸素室が必要なくなった。 術後7日で肝数値が跳ね上がる。 術後8日、肝数値は下がるが、腎数値が上がる。 術後9日:傷口が腫れる。(想定内) 術後13日:抜糸、退院。 術後15日:レンタル酸素室を返却。 術後1ヶ月は安静に過ごすように言われているが、術後16日には走り出し、ヒヤヒヤする。 退院後1週間検診:腎数値以外は正常値。 術後1ヶ月検診:調子良く過ごしていたが、貧血が出る(少し稀) 腎数値は少し下がったが、念の為2週間後に再検査。心臓は順調で、シャンプー・お散歩解禁! 2週間後の検診:貧血は治っていた。腎数値も下がってきている。 術後2ヶ月検診:数値に問題なし! 薬が必要なくなる。 術後3ヶ月検診:逆流は減っているが、ベトメディンを飲まなくなったことで若干心臓が大きくなっているので、翌月も検診を受けることに。 術後4ヶ月検診:数値に問題なし!次は半年検診でOK 術後5ヶ月:ノミ・ダニ予防解禁 術後半年検診:経過良好。念のため、3ヶ月後に検診。 術後9ヶ月検診:経過良好!次回は1年検診でOK 術後1年検診:経過良好!逆流が止まる。次回は半年後に検診。 |
術後の食欲 | 旺盛 |
術後のお薬 | 退院時:5種類 術後1週間:2種類 (ベトメディン・血栓予防薬) |
逆流 | 退院時には少し逆流が残っていたが、薬は必要ない程度。 術後1年検診で、逆流は止まっていた。 |
三尖弁の逆流 | 少し逆流あり。 (薬は必要ない程度) |
退院してすぐは、「弱っている」ように見えたヒュー坊くんでしたが、徐々に回復し、元気な頃のように走り回る姿が見られるようになりました。
手術について飼い主さんは、高額な費用とリスク、病状の悪化から、一度は諦めようと考えた時期もありました。
インスタグラムでは、当時治療の選択に悩まれた気持ちや、獣医さんとのやりとりなどを詳細に残されていて、同じように悩んでいる飼い主さんの気持ちをそのまま言語化されているような内容です。
ヒュー坊くんの闘病記録まとめ


今回は、12歳で僧帽弁閉鎖不全症の手術を受けたチワワのヒュー坊くんの闘病体験をまとめました。
もう薬を増やすことができないほど、たくさんの薬を飲み、僧帽弁閉鎖不全症の末期の状態であったヒュー坊くんが、手術によって薬を飲まなくても良い状態まで回復した事例で、希望が湧きますね。
闘病中は「呼吸数」を把握して早めの対応をしていくことが、延命に繋がることがわかります。
このように素晴らしい回復をもたらす手術ですが、術中や術後に亡くなってしまう大きなリスクを伴う手術でもあるため、決断が非常に難しいです。
ヒュー坊くんの飼い主さんは、闘病中の様子や手術を受けることを悩む気持ちをインスタグラムに分かりやすくまとめられていますので、大変参考になります。
同じ病気のワンちゃんや飼い主さん達が、長く穏やかに過ごせますように。