執刀医さんに「今日の晩がまず山」「何かあったら連絡します」と言われていた為、昨日の夜は病院から電話がかかってくるのではないか…とハラハラして、眠れませんでした。
朝まで何も連絡がなかったので、ひとまず安心しつつ面会に行きました。
▼前回のお話

この時はまだ、まさか執刀医さんに「前例が無い」と言われる体調不良に見舞われることになるとは、想像していなかった【術後の闘病生活】の始まりでした。
僧帽弁閉鎖不全症の手術【術後】
昨日の説明で、術後に起こりうる合併症などの「2つの峠」の話を聞いて心配性が爆発していた私は、面会に行く直前まで、

病院から電話がかかってくるんじゃないか…
と、コロンに何か非常事態が起こるのではないかとハラハラしていました。
昨日面会した時は、手術直後で力無く横たわっていた状態だったので、今日はどんな様子だろうかとドキドキしながら向かいました。
術後翌日の様子
ICUの部屋へ通してもらうと、水の入った器に顔を入れて水を飲んでいるコロンが目に入りました。


↑この状態で顔だけ器に入れて水を飲んでいました。
とてもしんどそうに見えました。
昨日は見たことが無いくらい舌が出ていて、



このままずっと出たままなのかな…?
命が助かるならそれでいい…!
と思ったけれど、元通りに引っ込んでいました。
そして!
昨日一緒に手術をした他の2匹のワンちゃん達も、無事に手術が成功していました!!
本当に良かった!!
水を飲んでいたコロンは、私に気付いて顔を上げましたが、立ち上がろうとはせずそのままジッと私を見ていました。
これまで地元の病院に入院した時や、トリミングで預けた時・避妊手術をして術後に迎えに行った時など、いつもなら私に会うと尻尾を振って嬉しそうに近寄って来るのですが、この時のコロンは少しも動かずにジッと私を見ていました。



体が痛いよ…これは何…?説明して~💦
と目で訴えられている気がしました。



そして、置いてもらっているフードを食べていない…
食欲があれば、フードを置いた時にすぐ食べるはずなので、
食欲が無いのかな…
大手術の翌日なので、食欲が無くても仕方ないのかな…?と思いましたが、食べる子は食べるらしいです。
凄い回復力ですね…!



コロンも食べてほしい…!
本日の【回復課題】
今日は大手術の翌日なので【自分で立ってお水を飲む】ということが課題



コロンちゃんはそこをクリアできているのでOK!
と執刀医さんがおっしゃっていたので安心しました。
面会中は水を飲む時も立つことはなく、全然元気がないように見えて心配だったのですが、私が行くまでの間に立っていたようです。
術後の僧帽弁
この日、術後のコロンの心臓エコー映像を見せていただけました。
まずは手術前日に預けた時の映像を見せてくださいました。
鼓動のたびに心臓の弁がペラペラと裏返り、空いた隙間から血液がドバドバと逆流しているコロンの心臓。
4ヶ月前に初めて見て、衝撃を受けた映像と同じでした。
そして次は、今日の映像。
コロンの心臓の弁は、ピタッと閉じるようになっていました!



逆流は ほぼ完璧に止まっているので、いい調子だと思います。
と執刀医さん。



わぁ…✨嬉しい…!!
本当に治ってる…!
あんなにガバガバ逆流してたのに…
執刀医さんが魔法使いのように見えました✨
手術をするまで、こうやって【僧帽弁が治ること】をずっと夢見ていました。
これがこの手術のゴールのように思えていた私は大感動だったけれど、執刀医さんにとってそこは あくまで通過点にすぎず、「肝心なのはここから無事に回復すること!」と、次の目標に向かっていました。
そしてすぐに、ここから無事に回復するということもまた、同じくらい難しいことなのだとわかりました。
入院中に気を付ける血液の数値
【僧帽弁】は手術で治っている。
それだけでも十分凄いことな気がするけれど、執刀医さんの目標は既にもっと先に向かっていて、これから入院中に気を付けて見ていかなければいけない項目を教えてくださいました。
①血小板の数値



一番大事なのが血小板の値。
と執刀医さん。
これは血栓の元になるもので、この手術では様々な要因(合併症)によって下がってしまう可能性がある。
とおっしゃっていました。
手術はうまくいったのに、合併症で亡くなってしまうワンちゃんは、この【血小板】が凄く減ってしまうのだそう。



下がったらアウトということではなく、ほとんどのワンちゃんはそこからリカバリーができます。
下がり続けると良くないとのこと。



どんどん下がるとか、上がりかけていたのに下がるとか、色々なパターンがあります。



さすがベテラン執刀医さん…。
経験に基づくデータ量が凄い✨
コロンの場合、血小板の数値が今日あまり下がっていないらしいです。
下がっていないと聞いて少し安心しましたが、これは手術を受けると絶対に下がる値なので、明日はもっと下がるだろうと言われました。



だいたい明日がピークで下がって、そこから上がってくれば大丈夫です。



無事に上がってほしい!!
②炎症の数値【CRP】
体の中に強い炎症があると上がる数値。
正常値は1以下のところ、今コロンは11まで上がっているらしい。



昨日大きな手術をしているので、当然今は上がります。
これも今日・明日がピークで高いので、そこから下がってくれば大丈夫。
と言われました。
ただ、この数値は1週間くらいでドンと上がることがある為、その辺りは確認が必要。



ハラハラ…
③白血球
コロンの場合、気を付けなければいけないのが【感染】



皮膚病をもっている子は皮膚から菌が入ってしまい、感染症をおこしてしまうことがある為、感染には非常に気を使っていく必要があります。
もし心臓に感染症を起こしてしまうと最悪で、もう一度胸を開いて手術をしなければならなくなり、全てが台無しになってしまう。
という説明を受けて、また青ざめました。



感染症が怖い!!
感染の為に上がる数値は、手術の影響でも上がる為、ここ数日は上がるらしい。
それがどんどん上がっていくようなことがあれば抗生剤の変更などが必要になる。
④貧血の値
コロンは手術の際に輸血をほどんどしていないらしく、手術で傷付いた血液が一時的に壊されて貧血になることが考えられる。
あまり酷いと輸血をしなければならないが、輸血自体が体に負担をかける為、輸血せずに済むならしたくないそうです。
あとコロンは今朝【低血糖】を起こしたそうですが、そこは処置をしてくださって今は問題ないらしい。
これらの数値を診ていき、数値が改善していくこと、元気・食欲があること、これが達成できれば退院できるので、そこを目指して治療をしていくようになる。
おそらく明日の数値がピークに悪く、元気も食欲もないコロン。



まだまだ退院は遠い…!
心配項目が多すぎて一気にまた不安になりましたが、【今のところは順調】と言ってもらえました。
今は血液の数値は悪いですが、術後なのでそれは想定内。
「明日が一番数値が悪くなる。」
という血液の数値。
そこから正常値に戻るか戻らないかで、状況が変わっていくらしいです。



明日の数値が気になります…!
手術が成功して、僧帽弁の逆流は止まっているのに…。
心臓を止めて人工心肺に移行させたことによる体へのダメージは凄まじいもので、様々な臓器に影響が出る可能性があります。
更にコロンは感染症のリスクも高い。
ここから血液の数値が正常になり、薬なしで過ごせる状態まで無事に回復することが次の大きな課題です。
術後の食欲
少しずつ食事を開始したようだけど、予想通り食べていないコロン。
器に入れてもらった少量のフードは手付かずでした。
ただ、水だけはたくさん飲むので看護師さんが「凄く飲みますね!」とびっくりされていました。
※過去に心配になって検査をしたことがあるほど、コロンは大量に水を飲む子です。



大手術の後なので、ごはんをたくさん食べて体力を回復させてほしいところです!
持参したドッグフードを食べないので、そういう時の為に病院で用意してくださっているササミなどがあるようなのですが、コロンは鶏肉アレルギーなのでそれも食べられず、近くのスーパーで果物ナイフとリンゴとかぼちゃを買って、明日から持参することになりました。
入院初日は持参したリンゴを食べてくれたようだけど…



食べてくれるといいな…
本当はドッグフードを食べてほしいのですが💦
アレルギー体質だとこういう時に何でも食べさせられないことが本当に不便だなと感じました。
退院の目安
血液の数値が正常値になり、元気・食欲が戻ると退院できるようになると執刀医さんが言われていましたが、



だいたい2週間ほどで退院するワンちゃんが多く、順調に回復すると1週間で退院するワンちゃんもいます。
と教えてくださいました。
コロンは自宅が遠方なので、もし順調に回復したとしても念の為に2週間は入院する予定です。
何かあった時にすぐに通院できる距離ではないので、執刀医さんが「もう大丈夫!」と判断されてから退院するのが確かに安心だと思いました。
まとめ
手術の翌日の課題は、
●自分で立てるようになること
●お水を飲めるようになること
退院に向けて気を付ける血液検査の項目は、
●血小板(一番大事)
●炎症の数値【CRP】
●白血球(感染症に厳重注意!)
●貧血
血液の数値はこの翌日【術後2日目】が一番悪くなり、そこから正常値に戻っていくか戻らないかどうかで状況が変わってくる。
とのことで、翌日の血液の数値がとても心配になりました。
先生は「今」は大丈夫。「今」は順調という言い方をされていて、まだ手術をした翌日なので、ここから調子が良くも悪くもなる可能性があり、どんな状況も起こりうるのだと思いました。
【命懸けの手術に成功することが最大の峠】のように思っていたけれど、術後もまだまだ命の危険があって全然油断ができない状況なのだと思いました。
【順調に回復するかどうかもまた命懸け】なのだと改めて思い知りました。
コロンは皮膚が弱いので【感染症】に凄く気を付けなければいけないことも心配です。
もし、心臓の中に感染してしまうことがあると全てが台無しになってしまうとのこと…。



恐ろしいです…
皮膚の弱いワンちゃんは術後の感染症のリスクが上がるそうで、厳重注意中。



小さい頃から悩まされてきた皮膚のカイカイが、まさかこんなところにも影響するとは…!!
アレルギー体質の子は術後のリスクが他の子達よりも高いことが分かりました。
とはいえ、
昨日心臓を止めて、人工心肺を使っての大手術をしたばかりなのに、翌日にもう自分で立ってお水を飲めるって、ワンちゃんの回復力は凄いな…と思いました。
小さな体で頑張っていました。
食事も少しずつ開始したようでしたが、コロンは予想通り食べずで、そちらも心配です。
コロンと一緒にここへ来て、私はホテル生活中。
24時間完全看護の病院からは、いつ急変して電話がかかってくるかもしれないと、昼も夜も心配で、寝ている時も何度も目が覚めました。
明日が一番血液の数値が下がると言っていたました…。
油断できない状態が続いて、早く全力で油断できる日が来ることを願うばかりです。