画像やインスタグラムの投稿は、飼い主さんの許可を得て掲載させていただいております。
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ニックネーム | お名前カルくん |
性別 | ♂ |
誕生日 | 3月18日 |
犬種 | チワワ |
治療 | 投薬 手術 |
闘病時期 | 発病:10歳半頃 手術:12歳(6月) |
初期症状 | 心雑音 |
僧帽弁閉鎖不全症で余命宣告を受け、12歳の時に手術。
手術が成功して、無事元気になったカルくんの闘病記録です。

現在12歳になったカルくん。
トリミングが大好きです♪
カルくんの闘病記録

カルくんは、心臓の薬を飲み始める1年前くらいに気管虚脱と診断されました。
そこからちょこちょこ病院を受診するようになり、徐々に心雑音が大きくなっていって、10歳半の時に僧帽弁閉鎖不全症の投薬治療を開始。
それから約1年半くらいは、症状は安定していて、穏やかに過ごせていました。
カルくんは気管虚脱もあるので、咳が出るとどちらが原因の咳かわからず、飼い主さんは頻繁に通院していました。
- 病気の進行速度
- 10歳半で発病し、すぐに投薬を開始。
- その後1年半くらいは元気に過ごす。
- 咳は出ていたため、頻繁に通院する。
- 2022.7月:投薬治療開始から10ヶ月後、かかりつけの病院で専門病院の受診を勧められる。
- 二次診療施設を受診。
- ステージB1とB2の間くらいと診断される。
- 薬を中断しても良いかもしれないと提案されるが、薬は継続。
- 飲水量が増えたと感じる。
- 同年11月:咳が多くなる
- 2023.1月:少し咳が落ち着く
- 2月:夜間に眠れないほどの咳。
- 食欲はあるが、なんとなく落ち着きがない気がして、翌日かかりつけの病院を受診したところ、初期の肺水腫が発覚。
- 酸素室に2時間入って回復するが、ステージCに。
- 利尿薬が追加される。
- その後、様子を見て利尿薬を減らすと、2週間経たないうちにまた咳が増える。
- エコーで心臓がかなり肥大していることがわかる。
- 3月:二次診療施設を受診(手術を決断)
- 予約が7ヶ月待ちのところ、この状態では7ヶ月持たないだろうと言われ、緊急枠で待機。
- 4月:肺水腫で救急病院を受診。
- 同年6月に手術。
- 食欲
- 普段からあまり食欲がある方ではないが、肺水腫を起こした時も普段通り食べられた。
- お薬
- ワンハート
- ベトメディン
- アムロジピン
- スピノラクトン
- ルプラック
- プロナミド
- 手術に向けて腎数値を抑えるために、利尿薬の量を減らし、代わりに強心剤を1日3回にして調節。
- 内臓の数値
- 腎数値が高い。
- 呼吸の様子
- 酷い咳が出ることがある。
- かかった病院
- かかりつけの病院
- 循環器専門病院(二次診療施設)

カルくんのように、肺水腫を起こした状態でも横になることができたり、おかしも食べたりするワンちゃんもいて、食欲では体調の変化がわかりにくい場合があります。


ポイント
カルくんのママさんは、「少し落ち着きがないような気がする…」と、肺水腫になった時のカルくんを見て思ったそうです。
食欲があっても、いつもと違う様子が見られたら早めの受診が安心ですね。



肺水腫は一度でも命に関わる場合があるため、いち早く気付くことが救命につながります。
カルくんの飼い主さんは、当時の闘病体験をインスタグラムに記録で残されています。
▼カルくんのインスタグラム
術後の出血


カルくんは、手術直後に出血が止まりにくくて、止血に少し時間がかかったそうです。
ドバドバ出血して止まらないのではなくて、ジワジワ滲んでくるような感じで出血していましたが、ちゃんと止まって「手術は成功です」と言ってもらえました。
術後の合併症が起こらないように慎重に経過を見ていきました。
手術の体験記録


術後の 入院期間 | 2週間 |
手術を施行 した時期 | 6月 発病から約2年後 |
術後の経過 | 手術直後に出血が止まりにくかったものの、無事に止血。 腱索を端から端まで15本修復。 翌日は強い痛み止めの投与でボーッとしている様子だった。 術後5日ほどで、日に日に元気になっているように感じられるようになる(数値はまだ基準値外) 目の瞬膜が少し出る。 腎臓の数値クレアチニンは標準内になったが、BUNがまだ高い。 術後13日:抜糸・退院。 退院後は少し弱って見える。 食欲不振が続く。 気管虚脱で、水を飲むと咳き込み、むせて吐く。 退院後1週間検診:食欲がないので再入院を検討されるが、もともと少食であるため、自宅で様子見となる。 かかりつけの病院で貧血気味であることがわかる。 胃腸薬などを処方。 食欲が回復し始める。 術後1ヶ月検診:調子良く過ごしていたが、貧血が出る(少し稀) 腎数値は少し下がったが、念の為2週間後に再検査。心臓は順調で、シャンプー・お散歩解禁! 2週間後の検診:貧血は治り、数値も下がってきている。 術後2ヶ月検診:数値に問題なし! 薬が必要なくなる。 術後3ヶ月検診:心臓は問題なく、大きさも前回よりも小さくなり標準に。 逆流はごく僅かにありましたが問題ない 三尖弁の逆流も、一生懸命探さないとわからないくらいの逆流で問題なし。 次回は半年検診でOK! 術後半年検診:心臓の経過は良好。 腎数値が少し上がっていた。 療法食でサポート中。 |
術後の食欲 | 普段と変化なし |
術後のお薬 | 退院時:5種類 術後1週間:2種類 (ベトメディン・血栓予防薬) |
逆流 | 僅かに逆流があるが、問題ない程度。 |
逆流 | 三尖弁の少し逆流あり。 (薬は必要ない程度) |
退院してすぐは、「弱っている」ように見えたカルくんでしたが、徐々に回復し、食欲が戻っていきました。


心臓以外の不調(食欲不振など)は、かかりつけの病院で診察・薬の処方をしてもらい、術後は二次診療施設とかかりつけ病院に通院していました。



二次診療施設は循環器の専門病院なので、その他の症状はかかりつけの病院で診ていただくのも良い方法です。
その場合、それぞれの先生に治療や投薬の情報を共有することが大切です。
ホルネル症候群
術後に目の瞬膜が出て、ホルネル症候群の疑いがあると言われたカルくん。


瞬膜(しゅんまく)とは
犬の目頭のところにある白い膜で、普段は目を開けると目頭部分に収まりますが、何らかの原因で出てくることがあります。
執刀医さんからは「病的なものではなさそうだが、様子を見ています」と言われました。
大きな手術だったので、炎症が原因になった可能性もあるとのこと。
手術の時は神経の近くを触っているので、注意深く傷跡などを診てくださっていましたが、問題になるようなところはなく、「手術とは無関係ではないか」という結論でした。
術後2ヶ月をすぎた頃から、ほぼ目は元通りになり始め、3ヶ月検診の時にはすっかり元通りに。
手術との関連性はわかりませんでしたが、一時的なものだったようです。


カルくんの闘病記録まとめ


今回は、12歳で僧帽弁閉鎖不全症の手術を受けたチワワのカルくんの闘病体験をまとめました。
僧帽弁閉鎖不全症の末期に片足を突っ込んでいると言われる状態であったカルくんは、手術によって元気に回復することができました。
闘病中は「落ち着きがないな…」と、念の為に受診したところ、肺水腫が発覚。
カルくんのように、食欲があっても肺水腫を起こしている場合もあるため、いつもと様子が違う時は要注意ですね。
このように素晴らしい回復をもたらす手術ですが、術中や術後に亡くなってしまう大きなリスクを伴う手術でもあるため、決断が非常に難しいです。
カルくんの飼い主さんは、闘病中の様子や術後の様子をインスタグラムに分かりやすくまとめられていますので、大変参考になりますよ。
同じ病気のワンちゃんや飼い主さん達が、長く穏やかに過ごせますように。