今回は、コロンが僧帽弁閉鎖不全症を発症してから、どのように症状が進行していったか、闘病中に感じた【病気の進行速度】をまとめました。
コロンです
手術で心臓が治り、今は元気に回復したコロンですが、手術直前には余命2ヶ月と宣告なれていて、とても弱っていました。
コロンの闘病中の様子を共有していきます。
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犬僧帽弁閉鎖不全症闘病記録【病気の進行速度は?】
病気の進行速度はワンちゃんによって様々ですが、コロンの場合をまとめました。
コロンの場合
病気の初期は【心雑音】
コロンは8才の時に、皮膚の治療の為に受診した際にたまたま【心雑音】が分かりました。
生まれつき【アレルギー体質】で、皮膚が弱いです。
こんな時は要注意!
疲れやすくなる
散歩が大好きで、いくらでも歩き続ける勢いで散歩していたコロンが、ある日突然散歩の途中で歩きたがらなくなることがありました。
この後すぐに【心雑音】がわかったので、この時すでに発病していたと思われます。
僧帽弁閉鎖不全症は心臓に負担がかかる病気なので、コロンの場合は疲れやすくなるという初期症状が出ました。
咳の頻度
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の弁が機能しなくなり血液が逆流する為、逆流した血液によって心臓が肥大します。
その影響で【咳】が出ます。
どんな咳?
肥大した心臓が気管を圧迫する為、【吐きそうなのかな?】と思うような、えずくような咳が出ます。
コロンはこの咳が、興奮して心拍が上がった時や明け方によく出ていました。
私はコロンが初めて【肺水腫】を起こして、病気について詳しく調べるまで、これが【咳】であることに気付きませんでした。
この咳は たまに しか出ないので、
おじさんみたいな咳して…
何か喉につっかえてるのかな?
と、初期の頃はずっと思っていました。
闘病生活が始まってから、気にして見るようになると、咳をするタイミングが【心拍が上がった時】など、心臓に負担がかかった時だとわかりました。
手術をした時、コロンの体は余命2ヶ月くらいの状態にまで弱っていましたが、コロンの場合は手術直前までずっとこの咳しか見られませんでした。
こんな咳もあるよ
ワンちゃんによっては、急に咳込みだしてなかなか止まらない肺高血圧による咳が出ることがあります。
【引き込むような咳】で、循環器の専門病院を受診した時に、この咳をしているワンちゃんを時どき見ました。
薬の量
3年前に初めて【心雑音】が分かった後、2ヶ月程は薬を飲んでいました。
薬を飲み切って、投薬をストップ。
ずっと飲んでいた皮膚の薬は飲み続けて、心血管や腎機能をサポートする【アンチノール】というサプリメントを薦められて飲み始めました。
同じ病気の他のワンちゃんを見ていても、病院の先生によっては、初期段階ではそこまで投薬を強く薦めない場合があるようです。
※現在はかかりつけの病院でも初期段階から投薬治療が薦められています。
この時私は、薬を継続して飲ませる重要性を理解していませんでした。
本当はここで投薬治療を継続して行うことで、悪化を遅らせられた可能性があることを、コロンの病状が悪化してから知りました。
※サプリメントは心臓の薬と併用して飲むことがおすすめです。
当時コロンは、皮膚の治療で【皮膚のアレルギー症状を緩和する為の薬】を継続して飲んでいて、定期的に通院をしていました。
頻繁に通院していたので、心臓の病状に変化が起きたとしても、すぐに対応できるだろうと思っていて、何か症状が出たら【心臓の薬】を飲み始めたら良いのかな…?と安易に考えていました。
この時にもっと病気について自分でも調べれば良かったと、後になって大後悔しました。
薬が増えたタイミング
コロンが薬を飲み始めたのは、発病から3年後。
初めて肺水腫を起こした時に、強心剤と気管拡張薬が処方されました。
その量では病状を抑えられなかった為、またすぐに肺水腫を起こしました。
肺水腫を繰り返すたびに利尿薬や血圧を下げる薬などが追加されていき、肺水腫を起こさない為に利尿薬の量を徐々に増やしていきました。
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コロンの場合、初期段階では3年間薬を飲まず、元気に過ごしているように見えていました。
食欲の変化
コロンは食べ物アレルギーがあるので、ずっとアレルギー対応の同じドッグフードしか食べたことがありませんでしたが、いつも食欲は旺盛。
3年前に心雑音が確認されてからも、朝は「おなかがすいた!」と起床し、夕方なると早いうちから「ごはんがほしい!」とアピールする食いしん坊でした。
食欲不振
いつも食欲旺盛で、食事に関しては全く手がかからなかったコロンが、初めて【肺水腫】を起こして以降、食欲にムラが出始めました。
肺水腫を起こす前後は必ず食欲不振になり、ごはんを欲しがらなくなっていきました。
利尿薬が効いて呼吸が楽になってくると、食欲が戻るのですが、完全に元通りに食欲が戻ることはなく、ずっと食べていたドッグフードを食べなくなってしまいました。
なんとか食べさせたくてトッピングをしてみましたが、食べず…。
そんな状態が続いて、体重が落ち始めました。
手術までに体力を維持させたくて、体重をこれ以上減らさない為に、闘病中は手作りごはんに切り替えました。
▼心臓に優しい材料で手作りごはんを作ったお話はこちら
ずっとアレルギー食のドッグフードしか食べたことがなかったコロンは、手作りごはんを喜んで食べてくれました。
それでも、元気だった頃に比べると食欲は落ちているように感じました。
手術直前の頃になると、自分から「ごはんがほしい」とアピールすることが無くなり、一日中寝て過ごす日々でした。
以前は大喜びしていた「ごはんだよ」という言葉にも、無反応で寝ていることが増えていきました。
調子が良い時は自力で食べてくれるのですが、食べることが疲れるのか、途中で止めてしまうことが増えました。
そんな時は ごはんを手で口元に運び、時間をかけて少しずつ食べさせていました。
やっと朝のごはんを全部食べ終えたら、数時間後にまた夕ごはんの時間が来て、一日中コロンに必死でごはんを食べさせる看病生活でした。
心臓の手術をして元気になった時、上記の食欲不振だった姿がまるで夢てあったかのように食欲が戻って、またアレルギー食のドッグフードを喜んで食べるようになりました。
「ごはんがほしい!」と、また元気にアピールする姿を見られるようになって、とても嬉しかったです。
ガツガツ元気にごはんを食べるようになったコロンを見て、闘病中は体が本当にしんどかったんだな…と思いました。
検診の頻度
コロンは皮膚の投薬治療を継続して行っていた為、2週間~1ヶ月に1回は必ず通院をしていて、そのたびに心音を確認していました。
年に一回のフィラリアの検査の時に【定期健康診断】をしていて、通常の検査項目に加えて心臓のエコーも撮影。
検査結果は毎回良好で、異常は見られませんでした。
病気は心配だったけれど、こうやって定期的に検診を受けながら気を付けて、薬が必要になったら飲み始めれば良いのかな…?
と思っていたのですが、
いざ薬が必要になった日、その時私はコロンの心臓が【突然悪化した】ような感覚でした。
悪化した時の様子
3年間投薬なしで何事もなく体調が安定していたので、私はこの病気は【徐々に悪化していく】ものだろうと思っていました。
ところが、
投薬無しで3年間が過ぎた頃、コロンは突然肺水腫を起こして緊急入院しました。
肺水腫を起こした時の様子
異変に気付いたのは夕方でした。
- 朝までモリモリごはんを食べていたコロンが突然食欲不振になる。
- 早くて浅い呼吸をし始めた。
- 横にならず、ずっと顔をやや上向きにして座っていた。
- 手足の先が冷たくなっていた。
- 舌の色が薄くなっていた。
突然このような状態になり、
コロンも私も青ざめながら病院へ直行しました!
2日前にたまたま定期健康診断を受けて、異常がないことを確認していたので、肺水腫はこんなに突然起こるものなのかと驚きました。
肺水腫になった時の様子がとても苦しそうで、私は初めて【僧帽弁閉鎖不全症】がこんなに恐ろしい病気だったのかと実感しました。
▼初めて肺水腫を起こした時のお話はこちら。
【徐々に悪化していく】と思っていたコロンの心臓が【突然悪化】した感覚でした。
肺水腫を起こした後の治療
僧帽弁閉鎖不全症は投薬治療で心臓の負担を軽減し、できる限り【肺水腫】を起こさないようにしていくことが大切です。
肺水腫になると、
肺水腫は命に関わる為、投薬治療で心臓の負担を軽減したり、肺の水を利尿薬で排出したりする治療が始まりました。
投薬治療の開始
肺水腫は肺に水が溜まって呼吸困難になり、放っておくと命に関わる状態。
コロンは即入院でした。
3日間入院し、退院後は再度肺水腫が起きないように投薬治療を開始。
心臓の負担を軽減する為に強心剤に加えて利尿薬や血圧を下げる薬など、たくさんの薬が増えました。
3年前、心雑音がわかった時に処方された薬と比べると、量が全然違いました。
心雑音が判明した3年前に、しばらくの間飲んでいた【強心剤】を、ずっと継続して飲み続けていれば、悪化を遅らせることができたのかもしれない…。
病気の進行や薬の効果は個体差があるようですが、初期からずっと薬を飲ませてあげれば良かったと後悔しました。
余命宣告
突然肺水腫を発症して緊急入院し、投薬治療が始まったコロンは、薬を飲んでもなかなか病状が安定せず、肺水腫を繰り返しました。
▼肺水腫を繰り返したお話はこちら
どんどん悪化する様子に不安になった私は、県外の循環器専門病院を受診することにしました。
そこでは様々な機材を使って、心臓の様子を詳しく診察していただけました。
結果、
コロンの病状は重症で、このままだと【余命は半年】だと余命宣告を受けました。
▼循環器の専門病院を受診した時のお話はこちら
初めて【心雑音】が確認された時から、循環器の専門病院を受診した時まで、3年半くらい経過していました。
3年間何事もなく過ごし、定期健康診断では毎回異常が無くて安心していたのに、
突然肺水腫を起こしたと思ったら【余命半年】と言われる程に悪化していて、本当に急に病気が悪化してしまったような気がしました。
悪化して肺水腫を起こすと、即命に関わる状態になり、この病気は【悪化を防ぐ治療】をすることが大切であったことがわかりました。
▼循環器の専門病院を受診してわかった【悪化を防ぐ為にできること】や、【初期段階でしておけば良かったと思ったこと】はこちらの記事にまとめています。
まとめ
今回はコロンの体験を元に、病気の進行速度について記事を書きました。
コロンの場合
- 最初の3年間は心雑音と咳のみ
- 3年後に肺水腫を発症
- 肺水腫を発症した1ヵ月後に余命半年宣告
病気の進行には個体差がありますが、初期段階の症状が軽いうちに、悪化させないための治療をしていくことが大切です。
コロンは皮膚が弱くて月に一度、多い時は2週間に一度病院に通っていた為、頻繁に通院しているので、少しの変化にもすぐに気付けるだろうと思っていました。
健康診断では、毎回心臓に異常は見られないので安心して過ごしていました。
いつか薬が必要な状態になったら、投薬を開始すれば良いだろう…と思っていましたが、コロンは急に悪化して、その時の心臓は【余命半年】の状態でした。
コロンのかかりつけ病院は、市外からも治療に来る患者さんがいるような地元では大きな動物病院です。
色々な機材が揃っていて様々な手術も行っていて、先代犬からずっとそちらに通い、先生達もとても信頼できる先生です。
そのような病院でも、心臓の専門的な治療や悪化の予測は難しい場合があるのだと分かりました。
▼次の記事【急な悪化を防ぐ為にできることは?】