僧帽弁閉鎖不全症の手術後に6週間入院し、回復に時間がかかったコロンの術後の体験記録です。
回復までの様子や入院中の血液検査の数値など、コロンの記録が同じ手術をしたワンちゃんや、手術を迷っている飼い主さんの参考になれば嬉しいです。
【僧帽弁閉鎖不全症手術後の経過】
●手術前日(11/10)~術後21日(12/2)…1回目の入院
●術後22日(12/3)~29日目(12/10)…退院中
●術後30日(12/11)~54日目(1/4)…2回目の入院
再入院中
12月17日
一昨日の検査結果では、CRPの下がりが悪いことがわかりました。
白血球の数値は変化が無いので、このまま様子を見ています。
今回のお話は、
●執刀医さんからコロンの状態を詳しく説明される。
●かかりつけの病院に入院先を変更する選択肢を提案される。
●この5日後にCRPが再び爆上がりするとは夢にも思っていない。
まだまだズルズルと回復しないコロンです。
▼ひとつ前のお話
犬の僧帽弁閉鎖不全症手術体験記録
【術後36日目】
コロンの状態は気になるのですが、今のところすぐに命にかかわるような大変な状況ではないことと、毎日あまり変化がないので、常に術後の患者さんを抱えている忙しい病院の先生に毎日お電話するのは気が引けて、この頃は2、3日に1回電話をして様子を聞くようになっていました。
先生方は手術直後のワンちゃんの様子を見ていて、お忙しいはずだし…💦
早くスッキリ回復して、家に帰れる日が待ち遠しいです。
そんな中、今日は久しぶりに執刀医さんとお話しができました。
執刀医さんと直接お話しできると安心します✨
コロンのCRPは、一昨日の2.3から昨日は変わらず2.3、今日は1.85まで下がっていました。(CRPの正常値は1以下)
執刀医さんいわく、
下がり方が凄く緩やかです💦
と、普通こんなに緩やかなことはないのだそう。
●いろいろと様子を見ているけれど、血液検査の炎症の数値が下がり切らない状況。
●感染症の兆候は見られていない。
ステロイドを使えていないからだろうか…?と執刀医さん。
こうやってダラダラと免疫系の異常から炎症反応が続く子が時々いて、そういう場合は【ステロイド】で強制的に抑え込むことが多いのだけれど、コロンの場合はそれが危なくてできないそうです。
なぜ「危ない」のかというと、コロンは皮膚病がひどいからでした。
ステロイドを使うと【抵抗力が落ちてしまう】という副作用があります。
コロンはもともと皮膚が弱く、それは他のワンちゃんよりも抵抗力が低いことが原因です。
その為、皮膚が弱い子にステロイドを使って更に抵抗力を落としてしまうと、感染症のリスクが高くなってしまうので危ないのです。
小さい頃から悩んできた【皮膚病】が、こんなところでもしつこく影響を及ぼすことになるとは…💦
その為、コロンは他の薬を使いながらマイルドに炎症を抑えていっている状態。
時間が経過すれば落ち着くことがほとんどだそうで、様子見です。
コロンの調子はそんなに悪くないけれど、相変わらず食欲が無いので、この状態で退院して また1回目の退院の時と同じことになってしまってはいけないと、慎重に診てくださっている様子。
先週 再入院した時と大きく変わった様子はないけれど、数値としては改善傾向が見られているので、CRPが下がってきたら退院するという方向で、もうしばらく入院した方が良いかな…ということでした。
心配なのは、
こういう炎症反応はステロイドで抑え込むことが多い中、それが使えないという状況と、確かにたま~にこういう子はいるのだけれど、あまり典型的ではないそうで、そうそう起こらないことが起こっているという点。
体質的なところが大きいのだろうと言われましたが、稀なケースの為 今後の変化が予測しにくいところがあります。
炎症の数値は下がってきていますが、下がり方がゆっくりなので、もう1週間くらいは入院しておいた方が良いかな…ということでした。
1週間で退院できるといいな…💦
そう思っていると、ここで思いがけず執刀医さんが、
ご希望があれば、お返しできない状況ではないので、かかりつけの病院で診てもらおうと思えば、それも可能な状態なのですが…。
「どうされますか?」
と、退院の選択肢を提案されました。
「え!?」
退院しても大丈夫なのですか!?
と聞いてみたところ、
「かかりつけの病院に引き続き入院して、連携を取りながら様子を見ることもできる」
という提案でした。
確かに、かかりつけの病院だと毎日お見舞いに行くことができるけれど…。
退院のタイミング
コロンのように、ズルズルと数値が改善ぜずに入院が長引いている場合、病院側もこちらに【費用】がかかることを考慮されて、こうやって飼い主側に一度確認をしてくださるのだろうと思います。
今回の場合は、
「まだ入院して様子を見ていくことが望ましいが、入院する病院を自宅から近い病院に変更することもできますよ。」
という話。
ただ、開心術の心臓手術後のワンちゃんを診たことがない獣医さんが多いので、この術後は普通とは違ったパラメーターが出る事があり、それを獣医さんが【怖い】と感じることは予想される為、
病院同士で入念に連絡を取り合いながら様子を見ていくことになります。
と言われました。
それぞれのかかりつけ病院の本音
術後にかかりつけの病院で入院や治療を引き継ぐ場合、
「この手術の術後を診たことがないから、怖いな…」と感じる獣医さんが多いのだそう。
そういった意味でも、術後は責任を持ってお預かりして、こちらで安定するまで治療を継続することが多いです。
大手術の術後なだけに、不安定な状態で退院して、こちらに任されても…💦と獣医さんが不安に思われることもあるようです。
日本全国で数軒の病院しか行っていない手術なので、それも納得です。
コロンのかかりつけの病院は、積極的にいろいろな治療をしている病院なので、コロンの術後の引き継ぎに関しても、良く思って対応してくれる先生方だろうと判断されて、退院できなくもないかな…と、執刀医さんは思われたそうです。
確かに、かかりつけ病院からの紹介で初めて心臓手術をすることになったコロンの為に、手術にも立ち会ってくださったような先生方なので、精一杯診てくださるだろうと思いました。
けれど、今のコロンは、専門医さんですら「あまり起こらないことが起こって予測がしにくい」と言われる状態。
かかりつけ病院の主治医さんは、手術前から何度も執刀医さんに連絡をして、薬の量を調節したり症状や検査の数値をメールで送って確認したりしてくださっていて、「専門的な知識がないと難しい病気」だとおっしゃっていました。
かかりつけの病院の方が毎日面会に行ってあげられるし、費用の面も心配だけれど、もし何かあって、専門病院で診てもらわなければならない状態になった時にすぐに通院できる距離ではないので、そこが不安でした。
術後の状態が安定するまでは、やはり専門医さんに診ていただく方が良いだろうと思いました。
電話のみでやりとりする難しさ
よくよく話をしていると、
どうやら執刀医さんは、コロンの入院がズルズルと長引いていることに私が納得がいっていないのではないか?
と心配されていたようです。
一つ前の記事に書いていたように、この時家族や親戚からも入院費を心配する声が上がっていたので、
入院が延びるとまた反対意見が出るだろうか…💦
と不安でした。
費用ももちろん心配だったので、入院が長引いて退院の目処が立たない状態が続いていることに、電話から不安な気配がダダ漏れしていたのだろうか…💧
と反省しました。
しかし、入院に納得がいっていないなんてことは全く無く、
なんたる誤解!!
病院が遠いので、もし容態が急変してしまった時のことを考えると、このまま専門病院に入院させてもらうのが一番安心だろうと思っています。
今の状況において考えられる、【一番安全な場所】にコロンはいさせてもらっています。
そこで執刀医さんに、
「コロンは専門病院で診ていただくのが一番安心だと思っているけれど、すぐに行ける距離ではないことと、費用の面は確かに心配です」ということを素直に伝えました。
執刀医さんは、
費用の面はできるだけ抑えられるように考えていますが、今後は費用の面でもどうしていく方が良いか考えていきましょう。
とおっしゃいました。
「先生達は忙しいから、できるだけ電話の時間を短くしなければ…💦」と思い、先生とはいつもコロンの病状の確認の話だけでしたが、費用についての話ができて良かったと思いました。
私のように、直接会うことができずに電話だけで連絡を取り合う時は、必要最低限の話だけになってしまうし、お互いの表情も見えないので、お互いの気持ちが分かりづらいのだなと思いました。
病院に電話する時は毎回緊張して、今思い返すともっとコロンの治療についてどう思っているかとか、感謝の気持ちとかを伝えられると良いかったと反省です💦
ぜんぜん余裕がなかったなぁ…💦
今後の治療を決定
コロンはCRPが下がらないけれど、症状として「これ!」というものが出ているわけでもない為、「ここを治療すれば大丈夫」という状態では無いところが難しいのだそうです。
原因がはっきりわからないので、CTを取ったり、さまざまな検査を全部したが、明らかにここが悪さをしているというところがない。
精神的なものが原因で、免疫系がおかしくなる子がいて、その炎症反応がダラダラ続いているのではないか?と思われ、それが落ち着くまで様子を見ている状態です。
その為、明らかに「胃腸炎を起こしています」とか悪い場所が分かっていると、「そこを治療してください」と、かかりつけの病院と連携を取って入院を引き継ぎやすいのだけれど、
原因がわからない状態で返すのも…。
という懸念もあった様子。
もう1つ心配なところが、CRPが下がり切らないとはいえ、1.85くらいなので、通常これくらいの数値であればごはんを食べるはず。
それが、手術から4週間以上経っているにも関わらず、まだ食欲が戻っていないところが、解せないのだそう。
私も解せない…
※コロンは本来食べることが大好きな食いしん坊です。
食欲が無いということは、どこか本調子ではない気がします。
ということで、
引き続きこちらの病院で診ていただくように決めて、CRPが下がりきるまで入院することになりました。
再入院から1週間が経過。
コロンも先生達も頑張ってくれている…✨
CRPの数値は1.85まで下がって、あと1週間くらいで退院できそうだし、もう少し頑張ろう…!
と、この時はコロンの退院が近付いている気がしていたのですが、この5日後にコロンはCRPが再度爆上がりし、また退院の目処が立たない事態になるのでした。
まとめ
術後36日目
CRPの下がりは悪いけれど、そこまで急変するような状態ではないだろうということで、希望であればかかりつけの病院で入院を引き継ぐことも可能だという提案がありました。
開心術の術後の様子を診たことがない獣医さんが多いので、引き継ぎには入念な連携が必要。
コロンは専門医さん達が頭を傾げるような稀なケースが起こっているので、このまま専門病院に入院して診ていただくことが安心だと思い、引き続き入院を継続することにしました。
電話でのやりとりは必要最低限の内容だけになってしまいがちなので、お互いの気持ちが伝わりにくいと思いました。
こちらが思っていることや、感謝の気持ちをもっと積極的に伝えられると良かったと反省!
コロンはCRPの下がり方がゆっくりだけれど、このまま様子を診て下がり切ったら退院することになりました。
この時、
「あと1週間くらいでCRPは正常値に戻るだろう」と予測されていて、その予測通りに徐々に数値は下がっていくのですが、数日後にまたCRPの数値が爆上がりして、ふりだしに戻ることになります。