9ヶ月前に僧帽弁閉鎖不全症で心臓の大手術をしたコロン。
実は心臓が悪くなる前から、耳の中に「イボのような腫瘍のようなもの」ができていました。
心臓が治って元気になったコロンは、ずっと気になっていた耳の腫瘍を取る手術をすることになりました。
シーズー犬
コロン12才です
耳の腫瘍除去手術
当日の動き
- 午前中の10時半頃に病院に預ける。
- 昼過ぎに手術。
- 19時頃に迎えに行って日帰り。
この手術で「全身麻酔をするこの機会に」と執刀医さんに提案していただき、他にも気になっていた【脂肪腫】と【臍ヘルニア】の手術も一緒に行いました。
▼それぞれの手術の詳細はこちら
耳の腫瘍の画像
4年くらい前から、耳の穴の中にイボのような腫瘍ができ始めたコロン。
最初は小さかったけれど、だんだん大きくなってきて、3年後には下の写真のように耳の穴を塞ぐ程の大きさになりました。
コロンの耳の中にできた腫瘍
腫瘍が2つあるように見えますが、下が腫瘍で、上にあるのはひだのように盛り上がった軟骨です。
腫瘍のせいで耳の中は通気性が悪く、元々皮膚が弱くて外耳炎でもあった為、腫瘍がジュクジュクして耳垂れが出たり、痒がったりしていました。
腫瘍の見た目
色 :ピンク色
形 :表面が細かく少しボコボコしている。
状態:時々ジュクジュクして耳垂れが出る。
症状:腫瘍が耳の穴を塞いで汚れが溜まりやすくなり、毎日耳掃除をしていても痒がる。
大きさ:徐々に大きくなり、耳の穴を塞ぐ程になってきた。
これは手術で取った方がいいですね!
念の為、腫瘍を病理検査に出しましょう。
いうことで、
コロンは元々【心臓】ではなく【耳】の手術をする方向で話が進み、耳の腫瘍を局所麻酔で取るか全身麻酔で取るか…と獣医さんと相談していた矢先、
突然心臓が悪化し、命に関わる事態になってしまい、耳の手術の話が保留になっていました。
心臓手術が無事終わるまでは、耳の手術どころではなくなっていたのですが、
無事に手術で心臓が治り、心臓の手術をしてくださった執刀医さんから
「もう心臓は全く問題無いので、全身麻酔の手術をしてもOK!」
とGOサインが出て、ついに耳の手術を行うことになりました。
9ヶ月前には僧帽弁閉鎖不全症で生死を彷徨っていましたが、こうやってまた手術を受けられる程に回復するなんて、あの闘病生活を思い出すと夢のようです。
とはいえ、また全身麻酔の手術をするのはやはり心配でした。
耳に腫瘍ができた原因
コロンの耳の中は腫瘤の周りに皺襞(しゅうへき)があって、軟骨がシワの様にボコボコしていた為、腫瘤ができやすい耳の形だったようです。
その為、今回腫瘍を取ってもまた再発する可能性があるので、再発を防ぐ為に腫瘍と一緒にその周りの皺襞も一緒に切って平らにして、通気性を良くすることになりました。
術前に行った治療
コロンの耳は慢性の外耳炎で、耳の中の皮膚が硬くなっていました。
皮膚が柔らかい方が手術を行いやすい為、手術に向けて1ヶ月程塗り薬で皮膚の調子を和らげる治療をしました。
耳の腫瘍除去手術の流れ
全身麻酔で手術をするため、当日の朝は絶食でした。
午前中に病院へ連れて行き、お昼過ぎに手術開始。
術後の様子を見て、退院できそうであれば日帰りで退院できると言われました。
手術は無事成功し、日帰り退院できました。
術後の経過を1週間後に診ていただくことになり、痛み止めと塗り薬・消毒液を処方されて帰宅。
術後2日程は痛くて一日中鳴いて、傷が癒えるのは耳が一番時間がかかりました。
▼手術直後の詳しい様子はこちら
術後の様子
耳の中の傷は、体の傷と違って縫い合わせることができないので、レーザーで焼いています。
そのため、傷口が癒えるのを待つしかないので、他の傷が2週間程で癒えたところ、耳は1ヶ月程度かかると言われました。
できるだけ耳の通気性を良くしてあげると、回復しやすくなります。
と教えていただきました。
シーズー犬の耳は見るからに通気性が悪そうなので、術後はコロンが寝ている隙を見計らって耳をひっくり返し、通気性が良くなるように気を付けました。
隙あらばひっくり返す!
奥の方が少し化膿してジュクジュクしていたので、毎日の消毒と、薬を塗って様子を見ていました。
術後1週間検診
コロンの耳を1週間ひっくり返し続けた甲斐があって、傷は順調に癒えていました。
上手に管理されていますね!
良かった✨
とはいえ、
毎日通気性を良くして塗り薬を塗っていたけれど、耳の奥はどうしても化膿しました。
傷が癒える途中で、耳の中が化膿してジュクジュクしていた時期は痛そうで、薬を塗ったり消毒したりする時に痛くて鳴くことがありました。
執刀医さんも、
「これ、痛いんですよ…💦」
と、コロンに共感してくださっていました。
術後2週間後くらいの時期が、化膿して痛そうでした。
先生が、
今回一緒に手術した【臍ヘルニア】【脂肪腫】【耳の腫瘍除去】の中で、耳の傷が一番痛いだろうとおっしゃっていました。
▼こちらは術後3週間後の耳の中です。
同じ耳とは思えない程スッキリとしています!
腫瘤の周りの皺襞(しゅうへき)が無くなって、耳の中が清潔に保てるようになりました。
【皺襞(しゅうへき)とは】
ひだのようにボコボコしている部分のこと。
耳の傷は、術後1ヶ月でキレイに癒えました。
病理検査の結果(耳の腫瘍)
病理形態学的診断名は【耳道腫瘤】脂腺の結節性過形成/初期の脂腺上皮
腫瘤は脂腺の過形成で、一部補助細胞の増殖が見られるため、初期の脂腺上皮腫が混在していると思われる。
病変は外方性ですべて摘出できているようですが、慢性外耳炎など、長期的な刺激が持続する場合は同様な病変が新たに形成される可能性がある。
という結果でした。
良性の腫瘤で安心しました。
再発を防ぐ為に
上記の病理検査の結果に、
『慢性外耳炎など、長期的な刺激が持続する場合は同様な病変が新たに形成される可能性がある』
と記載されていることから、この状態を防ぐ為に今回皺襞(しゅうへき)を一緒に切除したことがわかります。
執刀医さんが、
再発の可能性がある為、腫瘤だけでなくその周りの皺襞も切除して平らにしました。
とおっしゃっていました。
その方法で、外耳炎や長期的な刺激が持続することを防ぎ、通気性を良くすることで再発を防ぐことに繋がるそうです。
もともと腫瘍ができやすい耳の形だった耳を、腫瘍の除去と共に腫瘍ができにくい耳の形に形成し直してくださいました。
凄いです…!
まとめ
今回は12才のシニア犬コロンが【臍ヘルニア】と【耳の腫瘍除去】【脂肪腫の除去】を一度に手術した際の【耳の腫瘍除去体験】をご紹介しました。
耳の腫瘍ができ始めてから数年が経過していて、おそらく良性だろうと言われていましたが、絶対に良性だとは言い切れない状態であった為、放っておくのは心配でした。
高齢なので何度も全身麻酔をするのは心配で、一度に手術をすることになりましたが、術後は痛そうでした。
耳の腫瘍や脂肪種は、加齢によって症状が出てきたもので、ある程度は仕方がないと思っていましたが、放置しても大丈夫な腫瘍なのか、切除した方が良いのかは病理検査に出してみなければわからない為、今回不安要素を除去できて安心しました。
全身麻酔の手術はリスクがあるので、手術の内容やリスクを詳しく説明してもらって、納得した上で進めていくことが大切です。