手術の前日【入院して術前検査】僧帽弁閉鎖不全症コロンの手術体験記

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2021年11月10日。

7月10日にコロンの心臓手術を決意してから、4ヶ月が経ちました。

1ヶ月前には4回目の肺水腫を起こしましたが、なんとか回復。
11月1日の誕生日で12才になったコロンは、手術の前日を迎えました。

ついにこの日が来ました…

僧帽弁閉鎖不全症の手術に臨んだ体験談です。

ひとつ前のお話はこちら

目次

手術前日

手術を前日に控えた2021年11月10日、コロンを病院に預ける日が来ました。

手術の前日、コロンは病院に一晩入院して、最終的な検査を行って手術ができる状態か判断してから、手術の日を迎えることになっていました。

犬 僧帽弁閉鎖不全症 手術 体験記 コロン すぺしゃるワンライフ
出発前夜のコロン

手術で心臓が治ることを目指して、ここまで頑張ってきた闘病生活。

【治る未来】を夢見て頑張ってきたけれど、この時点で余命2ヶ月の状態であったコロンの身体は、確実に弱っていることがわかりました。

元気な頃は食いしん坊だったのに、食欲は無くなり、一日中眠っていました。

数ヶ月前までは、窓から外を見たり、来客があると喜んで玄関に出向いたりしていたコロンが、外も見ず来客が来ても顔も上げずに一日中寝ている姿を見て、身体がしんどいことがよく分かりました。

いつまた肺水腫になるかも分からず、ハラハラする毎日。

手術まで体がもつのかも分からず、早く手術の日が来てほしいような、来てほしくないような、複雑な気持ちでした。

コロンの手術の成功率は9割と言われていましたが、残りの1割にコロンが入らないという保証は無く、【1割=死】という、命懸けのリスクの不安が常にありました。

コロンの心臓の状態は重症で、手術をしなければ助からない状態。
命懸けの心臓手術は費用も高額で、とても悩みましたが、助かる道に賭けた決断でした。

できることなら命懸けの手術なんてせずに、投薬治療で安定して過ごせたらどれだけ良かったか…と、何度も思いました。

手術の前日、「とうとうこの日が来てしまった…」と思いました。

入院の準備

コロンが入院中に食べるドッグフード(アレルギー食)を、チャック付きの袋に1日分ずつ小分けにして入れて、お弁当の準備は完了!

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実際の写真

1袋ずつ記名をして、2週間の入院予定だったので、少し多めに用意して、毎日服用していた薬の残りも持って行きました。

移動の途中で肺水腫を起こした時の為に【利尿薬】は多めに持って行きました。
(かかりつけの病院で先生に持参するよう言われていました。)

コロンは食べ物アレルギーがあり、アレルギー対応のドッグフードを食べている為、食べられるフードの成分が分かるように、念の為に自宅で食べているフードの袋(空のもの)も持って行くようにしました。

その他、薬を飲む時に包むチーズや、大好きなおやつのボーロ、チュール(アレルギー専用)、朝晩食べていたリンゴも念の為に切って持って行きました。

数ヶ月前に肺水腫になって かかりつけの病院に入院した時、コロンは持参したごはんを全く食べなかったので、今回も食べないのではないかと心配でした。

大手術なので、術後はたくさん食べて体力を回復させてほしいと思いました。

手術は成功するだろうか…

このフード、手術が成功して元気になったコロンに、無事に食べてもらえるのかな…
と、複雑な気持ちで準備をしました。

循環器専門病院へ出発

14時に病院に預けることになっていたので、朝8時に自宅を出発。

コロンが手術を受けるのは、県外の循環器専門病院です。

私が住んでいる県や、近隣の県には手術可能な病院が無く、遠く離れた病院へ片道6時間かけて移動する必要がありました。

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当日の写真

ドライブの時はいつも、お気に入りのワンちゃん用のドライブベッドで寝ているコロンが、何かを察知したのか途中で膝に乗りたがって、しばらく膝の上で寝ていました。

走行中は何かあると危ないので、ドライブベッドに寝させているのですが、この時は考えたくはないけれど【もしかすると最後になるかもしれない】という気持ちがどこかにあって、コロンが安心するなら抱っこしていようと思いました。

※妹が運転中。

運転席でワンちゃんを膝に乗せるのは【乗車積載方法違反】になります。
また、助手席でも窓からワンちゃんが顔を出す状態で乗るのは違反になるので注意が必要です。
ドライブベッドやベルトでリードと固定できるような器具を使って乗ると安全です。

ドライブが好きで、コロンは車の中から外の景色を見るのが好きですが、体が弱っていたので、外を見ることは無く、ずっと膝で寝ていました。

途中のトイレ休憩で、これから起こることを何も知らずに嬉しそうに散歩する姿を見て、複雑な気持ちでした。

2週間後に同じ道を通る時、元気になったコロンと一緒に帰れるといいな…
と、何度も思いました。

病院に到着

病院に到着して簡単な問診を受け、コロンと持参していたフードなどを預けました。

コロンを預ける時には涙が出るかもしれない…?と思っていたけれど、意外と気が張っていて、全然涙は出ず。
4ヶ月ぶりにやってきた専門病院でただただ緊張していました。

コロンも、専門医さんに抱っこされて一度も振り返ることなく病室へ進んでいきました。

コロンちゃん…
そんな感じ…?

手術の費用

手術の費用は【手術代】と【術後の入院費】に分かれていて、その内【手術代】は今日前払いすることになっていました。

手術費は、手術代と入院費で最低でも120万と言われていて、手術の前に88万円を支払うことになっていました。
先に手術代を前払いして、その後退院する時に入院費を支払います。

※2021年当時の金額です。

病院によっては現金払いのみで、カードが使えない場合がある為、事前に確認が必要です。
コロンが手術をした病院は現金払いのみでした。

手術ができない可能性

診察室に通されて、今日のうちに最終的な【術前検査】を行うことや、手術当日の予定などのお話がありました。

  • 手術のリスクについて、もう一度説明。
  • 今日の検査の結果次第では、手術ができない可能性がある。
  • 手術当日の朝、執刀医さんから今日の検査結果と最終的な手術の説明がある為、同じ日に手術をする他の飼い主さん達と同じ時間に集合する。
  • コロンの手術は、明日手術予定の3匹中、一番最初に行われる。
  • 手術の為、体の左側だけ毛を剃る。

ここまで来て、検査の結果次第では手術ができなくなる可能性があると聞いて、

それだけは…💦

と青ざめました。

腎数値が悪かったり、他に腫瘍や病気が見つかったりすると、手術ができなくなる可能性があるようです。

手術は不安で、投薬治療で進行を抑えられたらどれだけ良かったか…と思っていたけれど、いつ急変するか分からない弱った状態で過ごすのも毎日とても不安で、早く手術をして心臓を治してあげたい気持ちでした。

もし手術ができなかった場合、また急変の不安を毎日抱え、必死で悪化を食い止めながら手術を待つ日々が続くかもしれないと思うと、気が遠くなりましたが、実際にそうなってしまうワンちゃんもいるということ…。

無事に手術を迎えられることもまた、あたりまえのことでは無いのだなと思いました。

手術中のリスク

命懸けのリスクがある手術なので、そのリスクについても再度詳しく説明がありました。

  • 人工心肺から離脱不能になり、最悪術中死
  • 大動脈遮断解除後に自己心拍が戻らない可能性がある
  • 心臓や大血管の致命的な損傷が起こる可能性がある
  • 稀に血が止まらないワンちゃんがいる

など、どんなに慎重に気を付けていても、人工心肺から体に戻す時に予測不能な事態が起こる場合があるらしい。

聞くだけでも恐ろしいリスクです。

当日は8時に集合することになり、私は宿泊先のホテルへと移動しました。

術後に備えてホテルで待機

術後は毎日面会に行きたいと思っていたし、何かあればすぐさま駆け付けたいと思い、病院の近くのホテルに泊まることにしていました。

「術後5日間程は、何が起こるかわからない」
とかかりつけの病院の先生が言われていた為、1週間くらいは滞在しようと考えていました。
※結局1週間では回復の目処が立たず、10日間滞在しました。

ご飯は各自で準備をするホテルだった為、近所のコンビニで晩御飯を買ってからチェックイン。
もう夕方になっていました。

隣のビルに隣接している為、遮光カーテンが閉まった室内は、昼間でも電気を付けなければ真っ暗でした。

ここで1週間過ごすと思うと心細かったけれど、1週間過ごせるということは、コロンの手術が成功したということだし、ぜひとも1週間過ごしたい!!と思いました。

一通りホテルの設備を確認して、
そういえば…、朝から何も食べてなかったな…と思ったけれど、コロンの手術が心配で、全然食欲がありませんでした。

今日の検査結果次第では、手術ができなくなる可能性があること。
執刀医さんが再度説明してくださった手術のリスクの話を、ホテルで一人繰り返し思い出していました。

経験豊富な執刀医さんは、何百匹ものワンちゃんの命を救っているけれど、1割は助からなかったワンちゃんがいる。
たくさんの経験に基づく、手術で起こりうる【命懸けのリスク】の説明はとても具体的で、本当にそうなってしまいそうな気がしました。

血が止まらなかったらどうしよう…
麻酔から覚めなかったら…

もし亡くなったら、どうやって連れて帰ればいいだろう…

と、考えたくはないけれど、自宅まで6時間もかかるし、一人で運ばなくてはいけない。
きっと成功する!大丈夫!と、自分に言い聞かせながらも、楽観的にはなりきれずに、もしもの時はどうしたらいいだろう…と考えては、

いやいや…
考えたくない!!

とシャットアウト。
一人でそれを繰り返す夜でした。

命懸けのリスク・費用・移動距離、どれも大きな壁に見えたけれど、コロンの命を救いたい一心でここまで来ました。

明日の今頃は手術が終わっている…
私はどうしてるのだろう…
未来が全く見えなくて不安でした。

ふと、気分転換にスマホを見ると、
「これからコロンを病院に連れて行きます!」
と呟いたツイッターや、地元の友達からたくさんメッセージが届いていました。

「きっと手術は成功するよ!」
「大丈夫!応援してるよ!」
「コロンちゃん頑張れ!!」

たくさんのメッセージを見て、それまでホテルで一人【最悪の事態にどう対処するか】を必死で考えていた私は、

そうだ、助かってほしい…。
コロンの心臓が治ってほしい…。

と、ボロボロ涙が出ました。

悪い想像でいっぱいになっていた私の頭に、コロンのことを一緒に心配してくださっている方々の優しい言葉が染み渡り、ホテルで一人、ボロボロ泣きながらコンビニ弁当を食べたこの夜のことを、私は一生忘れないと思う。

明日は朝早いし、
コロンも今病院で一人で頑張ってる。

がんばろう…!

そうやって、たくさんの方の応援に支えられて、手術前日の夜を過ごしました。

まとめ

コロンは赤ちゃんの頃から、私を追いかけてくる子で、自然と毎日一緒に寝るようになりました。
ずっと一緒に寝てきたので、病院に預ける前の日は、一緒に寝ながら自然に涙が溢れました。

前日の検査結果次第では手術ができなくなる可能性があること。
術中に亡くなったしまうリスク。

手術をしなければ助からないので、覚悟の上で決断したのだけれど、術中に亡くなってしまうリスクを考えると怖くてたまりませんでした。

手術前日、ついに後戻りはできないところまで来た…、という感じでした。

手術までの経緯・初めて循環器の専門病院を受診したお話はこちら

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